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アジア大会マラソン競歩・金、勝木隼人が見せた「大人の歩き」…ライバルの歩型違反を誘発

「年齢はゲームのレベルと一緒」35歳・勝木隼人が見せた“大人の歩き”!ライバルの自滅を誘った驚愕の頭脳戦とは?

愛知・名古屋アジア大会の陸上競技において、日本勢が躍動を見せました。中でも、男子マラソン競歩で勝木隼人選手(自衛隊)が3時間3分36秒のタイムで見事に金メダルを獲得。昨年の世界選手権東京大会(男子35キロ競歩銅メダル)に続く自国開催での大快挙となりました。

終始先頭を譲らない盤石の歩きでゴールテープを切った勝木選手は、「こんな幸せな経験を2年連続させてもらっていいのかな。本当に選手冥利に尽きる」と満面の笑みで喜びを爆発させました。しかし、この金メダルの裏側には、単なる体力勝負ではない、ベテランならではの「驚異の頭脳戦」がありました。

ハーフの「教訓」を活かした直前の作戦変更

今大会に向けて勝木選手は、高速ペースで世界記録を狙うための万全な準備を進めていました。しかし、レース直前の23日に行われたハーフマラソン競歩で異変が起きます。両足が同時に浮くなどの「歩型違反」をとられ、ペナルティーゾーンでの待機を強いられる選手が続出したのです。

この状況を目の当たりにした勝木選手は、「作戦変更した」と冷静に舵を切ります。出場選手がわずか7人と少なかったこともあり、ハーフ同様に審判員から普段以上に厳しい判定が下されると予測。ただ力任せに飛ばすのではなく、状況証拠からアジャストする柔軟性こそが勝利への第一歩でした。

審判の基準を見極め、ライバルを罠に嵌めた巧みな駆け引き

レースが始まると、勝木選手は序盤を1キロ4分25秒というスローペースで入ります。これは周囲の様子を伺うためだけではありません。「どの程度までいけば(両足が)浮いていると判断されるか」という、審判員のジャッジの基準を徹底的に確認しながら歩を進めていたのです。

さらに中盤に入ると、勝木選手は1キロ4分15秒の高速ラップを織り交ぜて相手を強烈に揺さぶります。この絶妙なペースチェンジが、ライバルたちの焦りを誘い、次々と歩型違反を引き起こす結果となりました。

自らは判定の限界点を見極めつつ、相手には無理な追随を強いて自滅を誘う――。まさに、長年培ってきた経験がなせる業でした。

終盤の安全運転と、35歳ベテランがたどり着いた境地

レースの決定打となったのは31キロ過ぎ。ここで先頭を争っていた中国選手をしっかりと振り切ると、終盤は無理をせずにペースを抑える「安全運転」へと切り替えました。危なげなく逃げ切ったレース展開に、本人も「ベストなパターンのレース」と胸を張りました。

50キロ競歩で5分のペナルティーゾーン待機から大逆転優勝を果たした、8年前のジャカルタ大会。そこからの年月を経て、勝木選手はレース後にこう語っています。

「年齢はゲームのレベルと一緒。経験値がたまってレベルが上がるだけ」

35歳という年齢を衰えではなく「レベルアップ」と捉え、円熟味を増した頭脳と技術で掴み取った2度目のアジア大会金メダル。環境の変化を瞬時に読み解き、ルールと味方につけた勝木選手の「大人の歩き」は、スポーツにおける知略の重要性を私たちに教えてくれました。

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